2017年07月27日
週刊文春「学長インタビュー」掲載
天理大学
永尾 教昭 学長
天理大学の歴史は1925年、日本最初の私立の外国語学校として創立された天理外国語学校にまで遡る。国際色豊かな校風は脈々と受け継がれ国際交流は実に多彩。約60人の留学生が在学、一方で交換留学ができる協定校は世界23カ国地域45校に及び、現在約80人が留学中である。加えてパリ、ニューヨークには海外分校もある。
「学生には是非在学中に海外に出てほしい。必ず人生で何をすべきかが見つかるはずです」と話すのは永尾教昭学長。自身も25年間フランスで生活しており、その言葉には実体験からくる重みがある。
また、各種スポーツの強豪校としても有名な同学の強みを活かし、スポーツを通じて海外と交流する「国際スポーツ交流実習」も盛んに行われている。 同学の建学の精神は「『陽気ぐらし』世界建設に寄与する人材の養成」である。「陽気ぐらし」とは、どのような状況下であっても心の持ち様ひとつで、誰もが日々喜びを感じて生活できることを意味する。そしてこの精神に基づいた「宗教性」「国際性」「貢献性」という3つの柱がある。
2001年より行われている「国際参加プロジェクト」はまさに3つの柱を具現化した取り組みだ。インドネシアやネパールなどで被災地復興支援、福祉ボランティア活動を通じ、「他者への献身」を実践。参加者は事前研修で語学や文化を学んだ後、現地に2週間滞在。密度の濃い体験により、世界への目が開いたという学生が多数いるようだ。
「『宗教性』とは特定の宗教を信じることではなく、宗教的情緒をもつことです。人間は偉大な何かによって生かされていることを知る。そのとき自他の命に対して謙虚になり、相手を助けようとする『貢献性』が生まれます。そして『国際性』を身につけるならその歴史的背景にある宗教を知ることが不可欠です」
ところで、同学の敷地には塀がないことをご存じだろうか。それは地域社会と手を携え、ともに発展していく意志の表れでもある。 今年5月には天理市との共催で「Tenri English Village―天理英語村―」をプレオープンした。2名のネイティブスピーカーを中心に、留学生らがアシスタントを務める。 「習うというよりコミュニケーションを楽しんでほしい。本学が長年培ってきた語学教育力を生かして、市民の皆様が英語に親しんでもらえる機会になれば」と話す永尾学長。
2025年に創立100周年を迎えるにあたり、「天理大学ビジョン2025」を制定した同学。学生にとって“本当にいい大学”を作るため、全教職員が一丸となって理念をまとめたものだという。 最後に永尾学長の座右の銘を紹介したい。 「節から芽が出る」―人生で困難に出会うことを「節」という。しかしその困難を乗り越えた時に人は大きく成長する。「自分を超えて、未来を拓く」土壌がここにはあるようだ。
住所=奈良県天理市杣之内町1050 ☎=0743-62-2164 学生数=3030名 学部=人間学部、文学部、国際学部、体育学部 http://www.tenri-u.ac.jp
『学長インタビュー』は「週刊文春」「サンデー毎日」などで当社が独自に取材した注目すべき大学の掲載記事をオンライン版として公開しています。
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