京都工芸繊維大学/森迫 清貴 学長

2022年06月30日

週刊文春「学長インタビュー」掲載

京都思考を基に工学系専門力、課題解決力、
グローバル力を養い、未来プロジェクトに挑戦

京都工芸繊維大学

森迫 清貴 学長

 日本が世界に誇る国際都市「京都」の北山裾、比叡山を仰ぎ見る位置に京都工芸繊維大学はある。同大ではこの度、「京都」とは何かを改めて問い直してみた。森迫清貴学長は言う。
「歴史文化都市である京都は、長きにわたり多くの『もの』を生み出し洗練してきた、ものづくりの都でもあります。それは単に継承するだけに留まらず、革新的な挑戦を続け、新しい技術を創出することによって『もの』や『わざ』を研ぎ澄まし、国内外の信用を得てきたのです。ものづくりの神髄は、人々の暮らしの豊かさを思考し、常にイノベーションを牽引しようと試みる『みやこ』としての自負にあると考えます。この創造的挑戦心を育んできた、京都という場の持つ力を工学の研究・教育に活かし実践していく。これを我々は『京都思考』と呼び、本学の特長、強みとして打ち出すことにしました」

明治政府が設置した京都蚕業講習所と京都高等工藝学校を母体とし、1949年に繊維学部と工芸学部からなる国立大学となった。2004年の法人化後は、両学部を統合し工芸科学部のみの単科大学である。大学院は、88年にはすでに博士前期・後期課程を有する工芸科学研究科となっていた。「工芸科学」は、当時の福井謙一学長(日本初のノーベル化学賞受賞)が、これからの工学には人や環境への配慮が不可欠であるとの意を込めて提唱したものだ。学生の実に8割程度が修士課程に進学している。

登録有形文化財の本部棟

卒業生は専門技術者として繊維、化学、電機、自動車、建設などの分野で日本の産業をリードし、産業界からの信頼は厚い。なお、前身の京都高等工藝学校図案科で武田五一、浅井忠らによって関西初の近代建築・図案教育が行われただけあって、今も建築とデザインの分野で強みを発揮し一目置かれる存在である。

現在は応用生物学域、物質・材料科学域、設計工学域(機械・電子・情報)、デザイン科学域、繊維学域の専門5学域と基盤教育学域で教育プログラムを提供。また地域の課題に専門分野の異なる学生が共同で取り組む、地域創生Tech Programもある。いずれも学部と修士を6年一貫で睨んだプログラムで構成され、学部3年までに人生のベース形成とも言うべき専門力を学修し、次の3年間で応用展開力を身につけていく。

大学院では、スタンフォード大学のデザイン思考科目ME310を日本で唯一開講。国際交流協定は100を超え、6つのダブルディグリープログラム等を実施している。学部では、英語鍛え上げプログラムが導入され、留学や海外インターンシップの実績も高い。

昨年度から専門分野横断でデザイン思考、さらにアート思考をも取り入れた「KYOTO AGORA」プロジェクトを開始。そして今年度は「未来デザイン・工学機構 Center for the Possible Futures」を設置し、企業連携、国際連携も視野に未来構想のプロジェクト化に取り組み、実装に向けた研究や技術開発に挑戦している。

【大学データ】
住所=京都府京都市左京区松ヶ崎橋上町1
☎=075−724−7014
学生数=3926名
学部=工芸科学部
https://www.kit.ac.jp

 

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