2018年06月07日
週刊文春「学長インタビュー」掲載
杉野服飾大学
中村 賢二郎 学長
大正~昭和期に活躍し、「ドレメ式洋裁」を創案したファッションデザイナー・杉野芳子氏が1926年に創設したドレスメーカースクールを起源とする。女子短期大学→女子大学(短期大学部を併設)→共学化を経て、国内でも稀有な服飾教育の専門大学としてアパレル産業で活躍する人材を多数輩出してきた。 「『その好きをかなえます』を合言葉に就職率は〝ほぼ100㌫〟。卒業生はデザイナーだけでなく、服飾に携わる幅広い職種・企業で活躍しています」(中村賢二郎学長)
時代や流行に合わせて激しい動きをみせるファッション業界。20世紀以降の「大量生産・大量消費」時代を経て、現在は生産ロスの見直しや衣服に対する価値観の変化により「作れば売れる時代ではなくなった」(中村学長)という。そこで同大学は、近年業界で重視されている「服飾の美と価値」を高める潮流に応えて、今年新たに「服飾表現学科」を開設した。
従来の服飾学科が「生産」「流通」領域に対応し、新学科は「表現」領域を教育・研究することに主眼を置く。両学科共通の基礎教養に加えて、衣装表現、スタイリング、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)、ショープロデュース、映像・メディア表現の5分野を専門的に学習し、アパレルの垣根を越えて顧客や視聴者に〝魅せる〟力を持った人材を育成していく。
「国内初の試みで創設された学科を盛り上げるべく、各業界で活躍する方が教授として集結してくれました。これでアパレル産業を司る生産・流通・表現、3領域の学びを網羅した大学となりました。興味のある学生には、開催中のオープンキャンパスで学内の雰囲気と学びに触れて欲しいですね」
こう語る中村学長は東京大学文学部哲学科を卒業後、文部省(当時)へ入省し各局の課長を歴任。出向先の文化庁で75年の「文化財保護法」全面改正の草案作りに携わり、さらに86年の文化財保護部長時に宮内庁に出向し、侍従として昭和天皇の側にお仕えした。91年から国立茨城工業高等専門学校長、97年に別府大学学長兼教授を担うなど、多彩なキャリアを歩んできた。
03年から現職に就き、翌年からは理事長も兼務。共学化間もない同大学の改革に着手し、培ってきた学校運営のノウハウを基に確固たる評価システムを構築した。当初は畑違いの服飾についても積極的に学び、変遷著しい業界のトレンドに合致した新たな教育カリキュラムを常に導入している。
「服飾専門の大学として個性を失わず、学生たちのキャリア形成や学習意欲を高めることを目指しています。服飾表現学科の新設もその1つ。国内のアパレル産業を支え、世界で通用する人材を育成していきます」 御年84歳。力強く言い切った中村学長の言葉には服飾専科大学としての矜持と、未来を担う若者たちへの思いやりが溢れていた。
【大学データ(問い合わせ先)】 目黒キャンパス=東京都品川区上大崎4―6―19 ☎=03―3491―8151 設立=1950年4月 学生数=760人 学部=服飾学部(服飾学科6コース、服飾表現学科5専攻) http://www.sugino-fc.ac.jp
『学長インタビュー』は「週刊文春」「サンデー毎日」などで当社が独自に取材した注目すべき大学の掲載記事をオンライン版として公開しています。
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