鈴鹿医療科学大学/豊田長康 学長

2018年06月21日

週刊文春「学長インタビュー」掲載

日本初の4年制医療系大学から
医療・福祉の総合大学へ

鈴鹿医療科学大学

豊田 長康 学長

 近年の医療科学の急速な進歩によって、医療は医師のみによって行われる時代は終わり、これからは医師と医療技術者とが表裏一体となり、医療を支え発展しなければならない――。

 1991年4月、日本で最初の4年制医療系大学として開学した「鈴鹿医療科学大学」。医療技術は、先端技術の導入により急速な進歩を遂げ、医療専門職の育成は緊急の課題だ。
 2学部4学科から始まった同大学は、現在では4学部9学科11専攻分野・2研究科を擁する医療・福祉の総合大学へ発展した。「知性と人間性を兼ね備えた医療・福祉スペシャリストの育成」を教育理念に掲げ、真に信頼される医療人を輩出している。

「社会に求められる医療・福祉のスペシャリストになるには、高度な知識と技能の修得以外に、幅広い教養、思いやりの心、高い倫理観を身に付け、多職種が連携して最善のケアを提供する『チーム医療』に貢献することが必要。チーム医療に不可欠な医療人の底力となる教育をしていきたい」と話すのは学長の豊田長康氏。 

 2014年からスタートした「医療人底力教育」は、特色ある初年次教育だ。1年生全員を白子キャンパスに集め、学部学科混成のクラスで、医療・福祉の専門職に必要な知識・技能・態度を学ぶ。「『医療人底力実践』の授業では、介護、救急救命、接遇、チーム活動などをテーマにしたアクティブ・ラーニングを実施。将来のチーム医療を円滑に進めるための素地を作ります」と学長は話す。 

 また、三重大学医学部との合同事業「慢性疼痛チーム医療者養成プログラム」では、共同授業を多数開講し、チーム医療を意識した取り組みを実施している。
「何を教えたのかではなく、何を身に付けたかが重要」と話す学長は、授業で電子端末を用いた「トコトンできるまで教育」を実践。問題を出題し、学生にボタンで解答させて、その場で理解度をチェックするもの。今後は全授業に導入していく計画だ。

 将来、医療に携わるためには、国家試験合格が必須である。今年度、教育改革プロジェクトチームを立ち上げ、合格率100%を目指していく。
 さらに、社会と医療の変化に対応するべく、さまざまな取り組みを行っている。いち早くサイバーダイン社の「ロボットスーツHALⓇ」を利用したカリキュラムをリハビリ教育に導入。他にも鍼灸・薬膳など東西医学との融合を学術的に研究している。

 2019年4月には「作業療法学専攻」と「鍼灸・スポーツトレーナー学専攻」を新設。各々の専攻で「作業療法士」、「スポーツトレーナーの資格を持つ鍼灸師」の資格取得が可能な県内唯一の大学となる。
 特色ある教育と環境を整える鈴鹿医療科学大学でより多くの学生が学び、高い専門性を持った医療人が巣立つことを期待したい。

【大学データ(問い合わせ先)】
千代崎キャンパス=三重県鈴鹿市岸岡町1001―1
☎=059―383―8991
創立=1991年
学生数=2725名
学部=保健衛生学部、医用工学部、薬学部、看護学部
http://www.suzuka-u.ac.jp

 

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